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説明

AI コーディングエージェントについての雑多な感想

昔々、AI コーディングエージェントが登場しだしたころ、わたしは懐疑的だった。

Stable Diffusion みたいな画像を生成するのは、結果が1バイトずれてもなんとかなるかもしれないけど、プログラミングというのはそれが文法エラーになって止まる世界なわけで、難しくない? と普通に思っていた。

そこから「単体テストみたいな定型的なものは書かせてもいいかな」「プルリクエストの説明文くらいは自分で書きますよ」とか自分なりの、ここから先は人間の仕事という線を引いていたのだけど、最近はだいぶ人間の仕事が減っている。雇用されて労働するのは、あいかわらず週5でやっているけれど、日々の仕事の「手触り」はだいぶ変わってしまった。

趣味プログラミングは簡単になってうれしい

趣味のプログラミング、例えば、会社のオフサイトがあるから、名刺代わりに DEFCON でやってるようなバッジを作ろうとか、RG35XX Plus というレトロハンドヘルドを買ったから、ソフトウェアキーボードを作ってターミナルを使えるようにしよう、みたいなことは簡単にできるようになってうれしい。

あるいは、私はいま自宅に Kubernetes クラスタがあるのだけど、このための YAML もだいたい Claude Code で書いている。Kubernetes は私にとって AI 以後にまじめに触れたソフトウェアのひとつで、あの深いインデントの YAML とか、それを Go のテンプレートで生成するとか、正直いって人間に厳しすぎるなと思う。

20代だったら土日をつぶしてやるような趣味のコンピューティングが、平日の夜くらいのパワーでもできるようになったのは、中年にとってはありがたい。

仕事のプログラミングはつきあいかたが難しい

仕事で使うのは、なかなか難しい。自分だけで完結するものだけでも

などなど、色々とあって、ここに対人関係に起因する問題や、ハーネスの設定に凝った人々に対する FOMO もあって「うれしい!」よりは複雑な感情がある。

ある種の仕事をする人々は減っていく

これは AI に限ったはなしではないのだけど、私がミクシィで働きはじめたころには、データセンターにサーバーをラックするとか、そこからぬけたサーバーを正しく廃棄するという仕事があり、日本の大きめの Web の会社には Sledge, Ridge, MobaSiF みたいな自社フレームワークがあり、アメリカの会社だとここに分散ストレージとかリバースプロキシみたいなミドルウェアが加わる、というのがよくあった。

この感じ、Rails や Django みたいな定番フレームワークがあり、パブリッククラウドが細々としたプリミティブを提供する時代の人々には、あまり伝わらないと思う。

フレームワークとかミドルウェアと呼ばれるような、アプリケーションドメインから遠いソフトウェアは、だんだん収斂が進んでいって、そのために雇用される人は減っていく、と私は思っている。経験からくる諦観もあるし、これを逆行させようとする、つまり「国産 OS の雇用を用意するので、アプリケーションを作るひともがんばって国産 OS を使ってください」みたいなのは、あんまりうれしくないよね、というのもある。

AI が雇用を奪うというのも、本当にみなが失業して消費者がいなくなる事態にでもならない限りは、いつもの収斂のひとつなのでは、という気持ちがしてしまう。